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交通事故のむち打ち症について
交通事故直後は、軽く衝突した程度で外傷もないと思ったとしても、交通事故による衝撃は大変なものだと考えられます。「事故を起こしてしまった」というショックから一種の興奮状態におちいっているため、痛みに対する感覚が鈍化しているので気付きにくいのですが、身体が受けた強いダメージをあなどってはいけません。
たとえば交通事故による症状として皆さんが一番にイメージされるむち打ち症の後遺症に悩む患者様は、「痛みがない」「大したことはない」と軽視して、整形外科や整骨院を受診されなかった方です。痛みや違和感、脱力感となって後遺症が出現し、その後も数年に渡って持続する可能性があるのです。中には日常生活にまで支障が出てしまう患者様もいらっしゃいます。
このようなことにならないためにも、交通事故後はきちんとした検査と継続した治療をおすすめします。
むち打ち症の正式名は、「外傷性頸部症候群」や「頸部捻挫」などです。
むち打ち症は首の正常な可動域を超えてしまうことで、首や背中・腰の関節の靭帯や筋肉が傷ついて、首・背中・腰の痛み、腫れぼったさ、違和感や運動痛などが現れることです。
さらに、強い首や腰の痛みによって事故当初は気付かなかったけれど、後々になって発生するのが、肩から腕の痛み、股関節から膝の痛みです。
シートベルトやエアバックによって、命を落とすようなけがは減少しましたが、一方でそのエアバックやシートベルトにぶつかったり、圧迫されたり、握っていたハンドルや踏んでいたアクセル・ブレーキを通じて受ける間接的な衝撃による、手足のけがによる痛みも実は少なくありません。
これらの痛みは「首からくるもの」などと当初のように黙認されることで、初期治療が遅れ、治療後期になっても独立した痛みや違和感として残ることがあります。左側の首や腰を痛めた場合、多くは同じ左側の手足の筋肉などを損傷していることも多いので、病院での診察時や保険会社に連絡をする前に、一度確認してください。